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秋葉原での惨劇

日曜日の秋葉原,歩行者天国での殺傷事件。この日は横浜に出張中で,事件のことはまったく知らず,夜遅くに京都駅から乗ったタクシーの運転手から聞いた報道内容に,心底驚いた。──池田小学校事件から7年目の記念日ではないか。

もう一つ。じつは,この種の事件が起きるたびに僕がひそかに恐れているのは,新聞やテレビの記者からの「何かコメントをお願いしたい」との電話だ。
一体何を,話せるというのだろうか。個人の具体的な犯罪行為の「原因」など,絶対に分かるはずがない。彼(あるいは彼女)の犯行直前までの,経験したことのすべてが何らかの影響を彼に及ぼし,また犯罪行為を取り巻いていた環境条件のすべてが,彼の行為の「原因」だったとしか言いようがないではないか。

例によって,勇敢なF先生が『日経』紙に談話を寄せている── 容疑者がトラックで人をはねてからナイフで刺した事件の展開を「暴力団同士の抗争でよく見られる手法だ」と指摘,「より大量に人を殺すために何が効果的か学習しているように思える。社会に不満をためた人が起こす最近の『不満爆発型』の犯罪は発作的でなく計画的なので,模倣されエスカレートしやすい」と話している。また,日曜日や人込みを狙った点については,「普段注目を浴びない人は逆に自己顕示欲が強く、注目されたい意識の表れ」と分析して見せている。(日経・2008年6月8日)
しかし,この談話の中に,何かの科学的な根拠に裏付けられた説明を見出すことができるだろうか。あるいは,何らかの有用な犯罪対策の提言が含まれているだろうか。そこにあるのは,せいぜいのところ,気の利いた,しかし無責任な,評論でしかないのではないだろうか。
だが,知られるとおり,評論家と学者は別物だったはずなのだが。
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by kriminalisto | 2008-06-11 00:36 | 日記・コラム・つぶやき