アナスタシヤ・カメンスカヤ

 先週の金曜日から、通勤時のささやかな楽しみはアナスタシヤ・シリーズの第7作(邦訳としては第6作)『死とほんの少しの愛』 (光文社文庫)
 アレクサンドラ・マリーニナの1997年の作品で、それ以降もこのシリーズは書きなぐられており、なんと最近第25作が出版されたとのこと。ロシアでは人気のテレビドラマ・シリーズにもなっているのだそうだ。
 モスクワ内務総局犯罪捜査局の捜査官で、心理分析や推理に天才的なひらめきを見せるアナスタシヤが、ごくありきたりの生活の些事に追いまくられたり、34歳にしてやっと15年来の恋人の数学者アレクセイと結婚したりしながら、姿の見えない殺人者を追い詰める── という物語の筋はありきたりかもしれないが、そのところどころに思いがけず現れるモスクワの市街の風景や市民の生活の姿が、何となく気がかりで。

 同僚のUn先生のさげすみの眼(小説はゆったりと時間が取れた一日、一気に読むものなのだそうだ)にもかかわらず、通勤途中のバスと電車の中でしか読まないという、僕の読書法にもそれなりのメリットがあると思うのだが。

 ちなみに、主人公の姓はロシア語では"石の"という意味で、したがって彼女の名前は"石のようなアナスタシヤ"ということになるのだが、このあたりの感覚がロシア人にとっては実際にはどうなのか、よくわからない。
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by kriminalisto | 2004-04-19 23:57
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