安城市での幼児殺害事件

またしても,想像を絶する事件という他ない。
  愛知県安城市のスーパーで4日に起きた幼児殺害事件で,逮捕された34歳の容疑者は,模範囚として先月末に豊橋刑務支所を仮出所したばかりだったとのこと。「数日前からイライラしていた」と言い,憂さ晴らしで,子供を無差別に狙った犯行らしい。現在のところはまだ断片的な報道しかなく,当然何を言うこともできそうにもないが,それでも気にかかる二三のことを。
  いくつかの報道では,容疑者は「ここ数日頭の中で『死んでしまえ』とか『人を殺せ』という雑音が聞こえた」などと言っているようだが,もし事実なら,これは典型的な統合失調症の症状ではないか── しかし,抵抗できない幼児を狙っていることとか,犯行後に市中に逃走するなど,きわめて正常な判断もしている。窃盗などで何回かの有罪判決を受け,一般の刑務所に入っていたということは,少なくとも過去には精神障害を疑わせる所見はなかったということか。
  容疑者が精神障害者であった場合とそうでなかった場合と,いずれであったとしても,この種の犯罪を予防することは実際には不可能ではないだろうか。さまざまに喧伝される保安処分だが(心神喪失者医療観察法はこの夏にも施行されるだろうが),それとて,今回のように突発的に/初めて犯罪行為を行った者に対しては意味を持たない。責任能力には影響しないと考えられている人格障害を持つ者による意識的な幼児殺害など想像したくもないが,その予防など,どんな方法がありうるだろうか。
  それにしても,容疑者が問題のスーパーに行ったのは,暖を取るためで,所持金はなかったとの報道には,考え込んでしまう。職探しがうまく行かず,住むところも無く,夜は廃車の中で寝て,安城には(盗んだ?)自転車でやってきたという。冬の最中に刑務所を1万円ほどの所持金しかない状態で出され,身よりも居場所もなく,職探しもうまく行かないという状況がそもそも困惑させるものだ。何か確実な犯罪を実行して,衣食住の心配のない刑務所に戻ろうと思っても不思議ではない。こんな場合,刑務所出所に先立って帰住先を明らかにさせ,それがない者は更生保護会の施設を6ヶ月間は保証することになっているはずなのだが,その関係はどうなっていたのだろう。また,仮釈放なのだから,保護観察所がかかわって保護司が付されているはずなのだが。
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by kriminalisto | 2005-02-06 22:17 | 日記・コラム・つぶやき
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